
夕方、帰宅してお茶を飲んで一息ついた頃、
ノンが「スミがいない」と言い出した。たしかに家中捜してもどこにもいない。
ベランダから読んでも返事がない。
もしや外に出て何かあったのではないか?と急に心配になりはじめると
居ても立ってもいられなくなってうちの前まで出て捜し始めた。
ノンも懐中電灯をもって、もしも交通事故に遭ったのではないかと
離れた場所まで捜しに行った。
5時半から8時近くまで2時間以上も捜して鳴き声すらしないので、
誰かに誘拐されたかと諦めて夕食の支度をし始めた。
私は 将来を予測して準備しておくとき、注意を怠ると予想外の出来事で
無駄になりつらい思いをする という思い込みがあるのだが、このときは
「スミの治療食を一袋余分に買った時スミが居なくなることを想定しなかった」
という自分の不注意で、これからスミをなくした哀しさに耐えなくてはならないと思い始めた。
食事の準備を終えて、寝室にバッグを置きに行ったら、
一番高いスチール棚の天辺のカゴが動いてスミがこちらを向いていた。
夕方からずっと籠の中で寝ていたらしい。私はホッとして急に疲れが出てきた。
ノンはあんなに心配したので
「お父さんは知らないって言ったのに目の前に居たじゃないか」
と夫に怒りをぶつけていた。でも無事で本当に良かった。
居なくなったかもしれないと思った時の不安感は、
かつて息子たちが幼かった頃、帰りが遅くなった時のことを思い出した。
可愛さが増す分、心配も増えるということだろう。